夏鈴の様子を見て、両親は同棲に賛成しようと決めた。

「陸斗、とてもいい子を見つけたな。夏鈴ちゃんが良ければ、一緒に生活したらいい。」
父が言う。

「夏鈴、一緒に暮らしてくれるよな?」

「はい。ありがとうございます。」
夏鈴は頭を下げた。

「陸斗、仕送りは増やすよ。大学生は勉強が1番だ。これから院の試験もあるんだろ。院に行くなら勉強してもらわないと困る。勉強を厳かにしたらだめだ。夏鈴ちゃんも家の事情は少し聞いてる。なのでお金のことは気にしなくていい。今までバイトをたくさんして、体調悪い日もあったって陸斗と康平から聞いてる。なのに成績良かったんだってな。偉いな。これからは、少し余裕を持って生活したらいい。陸斗をよろしくな。」
父が言い、母が笑顔で頷く。

「えっいいんですか。仕送り増やしてもらえるのはかなり助かります。ありがとうございます。」
陸斗は頭を下げた。

「悪いです。そんな、、、。」
夏鈴は陸斗の両親の優しさに驚く。

「夏鈴ちゃん!大学生なんだから、しっかり勉強しなさい。もちろんバイトもしたらいいと思うわ。だけど、体が何より大事。無理せず、残りの大学生活楽しんでみたらどう?あと陸斗をよろしくね。」

夏鈴は、父にはお金をたかられる日々を送ってきていた。それに今日も私なんかでいいのかと不安を抱え、ずっと緊張していた。陸斗の両親の優しさに涙があふれる。

「、、、ありがとうございます。」

「夏鈴ちゃん、泣かないでー。かわいい顔が台無しよ。こんな清楚でかわいらしい子が来てくれて嬉しいわ。」
母は夏鈴の背中を笑顔でさすった。