「夏鈴ー。行こう。」
陸斗は夏鈴の講義室にわざわざ迎えに来た。
今日は1日中、注目の的だ。
「わざわざ迎えにこなくてもいいですよ!」
夏鈴は小さな声で陸斗に言う。
「夏鈴、怪我してるし、色々心配だから。」
陸斗はそう言うと夏鈴の荷物を持ち、手を握って歩き出した。
「陸斗ー、今日サークル来ないの?」
広い校内を歩いていると陸斗のサークルメンバーたちと会う。
「うん。今日は休むわ。」
「陸斗、この子って、この前の事件の子よね。」
1人の女の子が聞く。
「そうだけど。」
夏鈴はみんなの目線を感じて俯く。
「なんでかばってるの?」
「かばってるつもりはないけど。もともと事件前から仲良かったし。」
「ふーん。ちゃっかり手まで繋いで、介抱してあげてるんだ。」
冷たく言い放たれて、夏鈴は手を離そうとしたが、陸斗は離さない。
「介抱で手を繋いでるんじゃない。俺の彼女だから。じゃあな!」
陸斗はキッパリと言って、その場を離れた。


