「陸斗ー!あの子だれ?」

サークルの輪にいる女の子が聞く。

「あー、バイト先の後輩。」

「そうなんだー。でもなんでおにぎりあげたの?」

「あー、食事量少ないと倒れるだろ。だから、あげただけ。」

「陸斗がわざわざ話しかけに行くなんて珍しい。よっぽどかわいそうに感じてるんだ。」

夏鈴の地味な見た目をみて、まさか陸斗があの子を好きだとは夢にも思わない。

「いや別にかわいそうとか思ってないし。」

陸斗がイラッとして答える。

「陸斗なんやかんや優しいもんね。」

女の子がそう言い、話は終わった。