翌日は快晴で、農園を訪れるのにぴったりの天気だった。王太子カイトは護衛騎士としてジェシーを同行させ、他の騎士たちは農園の各所で不審者が入り込まないように見張る事になった。テイラー伯爵と農園の管理責任者に先導されて一行は薔薇農園に入っていく。リシェルはルーナとセイラと共に久しぶりに足を踏み入れた。
薔薇の花が咲き誇る農園は圧巻の一言で、カイトもその素晴らしさをテイラー伯爵や責任者に伝えている。セイラは王太子と一緒だという事ではしゃいではいけないと思っているらしいが、目がキラキラと輝いていて、かなり興奮しているようだ。
リシェルが前回訪れたときは、花が終わり葉も少なかったが、今日は通路が狭く感じるほど薔薇が迫っていた。リシェルが薔薇に見とれていると、先に進んでいたルーナに声をかけられる。
「リシェル様、お気持ちはわかりますが、また迷子になってしまいますわよ。」
リシェルがその言葉に振り向くと、ルーナは満面の笑顔でリシェルを見ていた。
「トクン」
とリシェルの心臓が音を立てる。懐かしい香りを思い出し、ぎゅっと心を鷲掴みにされる感触にリシェルが立ち尽くしていると、ルーナが戻ってきて、リシェルの右手を取った。
「ほら、行きますわよ。みんなに置いていかれてしまうわ。リシェル様は背が高くおなりですから薔薇の木よりも頭が出ていて周りが見えていますけど、それでもこの農園は広いですわ。」
優しく手を引かれ、最後尾を二人で歩く。セイラはジェシーに追いついて、護衛の邪魔にならないように話しかけていた。
「リシェル様、ありがとうございます。」
手を繋いで歩きながら、ルーナが話しかける。
「えっ?僕?な、何かした?」
リシェルが驚いて問いかけると
「お母様の印璽を取り返してくださったでしょう?」
リシェルはその言葉に固まってしまった。
薔薇の花が咲き誇る農園は圧巻の一言で、カイトもその素晴らしさをテイラー伯爵や責任者に伝えている。セイラは王太子と一緒だという事ではしゃいではいけないと思っているらしいが、目がキラキラと輝いていて、かなり興奮しているようだ。
リシェルが前回訪れたときは、花が終わり葉も少なかったが、今日は通路が狭く感じるほど薔薇が迫っていた。リシェルが薔薇に見とれていると、先に進んでいたルーナに声をかけられる。
「リシェル様、お気持ちはわかりますが、また迷子になってしまいますわよ。」
リシェルがその言葉に振り向くと、ルーナは満面の笑顔でリシェルを見ていた。
「トクン」
とリシェルの心臓が音を立てる。懐かしい香りを思い出し、ぎゅっと心を鷲掴みにされる感触にリシェルが立ち尽くしていると、ルーナが戻ってきて、リシェルの右手を取った。
「ほら、行きますわよ。みんなに置いていかれてしまうわ。リシェル様は背が高くおなりですから薔薇の木よりも頭が出ていて周りが見えていますけど、それでもこの農園は広いですわ。」
優しく手を引かれ、最後尾を二人で歩く。セイラはジェシーに追いついて、護衛の邪魔にならないように話しかけていた。
「リシェル様、ありがとうございます。」
手を繋いで歩きながら、ルーナが話しかける。
「えっ?僕?な、何かした?」
リシェルが驚いて問いかけると
「お母様の印璽を取り返してくださったでしょう?」
リシェルはその言葉に固まってしまった。
