「〜〜っ、ぅ、ゆ、湯田くん、」



川原美波、改め、
湯田くんのマフラーになって。



1週間経ったはずの私は。



いま、学校の屋上で、
湯田くんを抱きしめるのではなく。



なぜか、湯田くんに抱きしめられています‼︎



理由は分からないけど...............



「...............んー、なんかつまんない」



さっきから、こんな調子で。



なんだか、不機嫌な湯田くん。



「〜〜っ、湯田くんっ、
なんでそんな、不機嫌なんですかっ‼︎」



湯田くんに抱きしめられて、
不覚にもドキドキしたまま尋ねると。



「──────ないから、」



今にも消えそうな声。



というか、
最後の方しか聞こえなくって。