オディールが死んだ日に


しかしなぁ、これなら結の言っていたストーカーされてると言うことはあながち外れてないってことになる。中には結の実家の住所までさらしてある投稿も見つけた。いつ本格的な犯罪事件に巻き込まれてもおかしくない。ここで結のことを放り投げて後々大事(おおごと)になるのもなぁ。


「一晩、と言わずしばらくかくまってやるべきか?」いやいや、それが知れたら今度は俺がパパ活の援交野郎と叩かれそうだ。どうすればいいものか……


しかし考えたところで何の考えも浮かんでこない。


とりあえず今日は寝よう。いくら考えたって、いくら調べたって俺は刑事でもなければ探偵でもない。ネットの記事もどこまで本当でどこまでデマか分からないし、結局俺は無力なのだ。


寝室に戻り、しかしクイーンサイズの広いベッドがいつもよりやけに広く感じた。


いつものことじゃないか。翆が居ない日、俺は一人でこの場所で寝起きしていた。今更寂しいなんて……


いや、やはり寂しい。いつもなら翆はどれだけ日にちが開こうと必ず帰ってきた。帰ってくると抱き合って眠った。あの温かく優しい体温や香りに包まれ、安心しながらも次の日が来ないでほしいと願った日々が


懐かしい。


もう翆は二度とこの場に戻ってこない。



「翆―――」



俺はもう二度と戻ってこない愛しい人の名を呼び、ベッドに潜り込んだ。