そっか。プロジェクトの優勝者は、クリスマスパーティーで好きな人と踊る権利がもらえるんだよね。

「お手をどうぞ、お姫様」

そう言って手を差し出したタキシード姿の皇月先輩は、本当に王子様みたいだ。

「よろしくお願いします」

わたしは、その手をそっと握った。

ふたりで会場の中央へ向かう。

「さぁ、学園の王子様とシンデレラの登場です!」

雨沢先輩の言葉に、会場中の視線がわたしたちに集まる。

恥ずかしいけれど、でも嬉しい。

「美夢」

踊りながら、皇月先輩がわたしの名前を呼んだ。

「今度は音夢じゃなくて美夢のこと、お姫様にするから。覚悟しといて」

小さく囁かれた言葉。

もしかしてそれって……

胸に甘い期待が広がる。

曲が終わった瞬間。

わたしの体がふわっと宙に浮いて…

「この場を借りて皆さんに紹介します。彼女の月島 美夢です」

会場に大きな歓声が響いた――