「優勝おめでとう!」

コンテスト終了後の控室。

放心状態のわたしを、美雲さんと雪村さんが笑顔で迎えてくれた。

あのあと、プロジェクトの結果発表が行われて、見事わたしが優勝した。

「……なんか信じられない」

いまだに実感がわかない。

その時、ドアをノックする音が聞こえて。

「おめでとう、美夢ちゃん!」

雨沢先輩と皇月先輩が入ってきた。

「ありがとうございます」

「よく頑張ったな、月島」

そう言って、皇月先輩がわたしの頭に手を乗せた。

その温もりが優しくて、嬉しくて、気づけば涙が溢れていた。

「今まで本当にありがとうございました」

地味子のわたしをこんなに可愛くしてくれて、たくさん夢を見させてもらった。

手の届かない存在だと思っていた皇月先輩と凛ちゃんに会えて話ができるようになった。

だけど、それも今日まで……。