「ヤバい、この皇月先輩めちゃカッコイイ!」

「まさにクールな王子様!って感じだよね~」

あの撮影の日から1カ月近くが過ぎ、10月も半ばを過ぎた頃。

スウィガの最新号が発売され、いつものように教室で如月さん達がはしゃいでいた。

今彼女達が騒いでいるのは、わたしも音夢として写っているハロウィン特集のページだ。

「この音夢って子、最近よくスウィガに出てるよね」

突然聞こえてきた音夢の名前に、思わず反応してしまう。

「読モだけどいつも皇月先輩や凛ちゃんと一緒に出てるよね。いいなぁ~」

羨ましそうにつぶやく如月さんの言葉に、何ともいえない複雑な気持ちになる。

もしもわたしが音夢だって知ったら、みんなどんな反応するんだろう……?

中間テストが終わって11月に入ると、季節は本格的な秋。

夢ヶ丘学園には、文化祭がない。

そのかわり、生徒会主催のプリンセス・プロジェクトと、クリスマス・イブに学園主催のクリスマス・パーティーがあるらしい。