「きゃ~皇月先輩!」

「七星くんカッコイイ~!」

放課後、廊下から聞こえてきた女の子達の声

視線を向けると、ちょうど皇月先輩が通りかかるところだった。

少し離れたところから見ても、ものすごい存在感。

まるで皇月先輩の周りだけスポットライトが当たっているみたいにキラキラ輝いている。

やっぱり素敵だなぁ……。

「―さん。月島さん!」

「は、はい!」

皇月先輩に見とれていたから、名前を呼ばれていたことに気がつかなかった。

慌てて振り返ると、目の前には如月さんとその友達ふたりが立っていた。

「あのね、月島さんにお願いがあるんだけど~」

わざと上目遣い気味にわたしを見て、甘えたような声を出す如月さん。

お願いがなんなのか薄々気づきながら、「なに?」と尋ねる。