凛ちゃんと皇月先輩は、わたしにとっても憧れの存在。
いつも地味なわたしだけど、本当はオシャレしてみたい。
メイクもしてみたいし、凛ちゃんが着ているような服だって着てみたい。
だけど、きっとわたしなんかが着たって似合わない。
こういう服は、凛ちゃんや如月さんみたいに可愛い子が着るから可愛いんだ。
如月さんは読モ応募するつもりなんだよね。
わたしだって如月さんみたいにパッチリ二重だったら、色白で肌が綺麗だったら、
整った顔立ちだったら、もっと背が高かったら。
自分に自信があったら、迷わずに応募するのに。
だけど現実は……如月さんの言う通り、わたしみたいな地味子じゃムリだ。
そんなの、自分が一番よくわかってる。
地味子と王子様じゃ分不相応なのは充分わかってるけど。
だけど、憧れるくらいはいいよね?
いつかわたしもふたりみたいに輝ける日が来ることを夢見るくらいはいいよね?
スマホの待ち受け画面にしている凛ちゃんと皇月先輩を見つめながら、心の中で自分に言い聞かせた。