「ということで、夏休みのクラス交流会は矢坂神社の夏祭りに決定しました」

1学期最後の終業式のホームルーム。

クラス委員の言葉にクラス中から拍手が起きた。

夢ヶ丘学園では、1年生の学校行事として夏休みにクラスごとに交流会をやるらしく、私のクラスは学校の近くにある神社の夏祭りに行くことになった。

「みんなせっかくだから浴衣着て参加して下さいね~」

「は~い!」

明日から始まる夏休みにテンションが上がっているのか、クラス委員が続けて言った言葉に、元気な返事が響いた。

正直交流会なんて行きたくない。

行ったってどうせひとりで浮くだけだし。

家族で出かける予定があると言って欠席しようかと考えたその時。

「ねぇ、もしかして皇月先輩に会えるかなぁ!?」

突然聞こえてきた皇月先輩の名前に思わず反応してしまう。

「確か生徒会の人達も毎年夏祭りに行ってるんだよね。運が良ければ会えるんじゃない?」

夏祭りに行けば、皇月先輩に会えるかもしれない?

それを聞いたわたしは、夏祭りに参加することにした。