「こちらFテレビ局の広場にはたくさんの短冊が飾られています。皆さんはどんな願い事をしましたか?」

テレビから聞こえて来たアナウンサーの問いかけに、ふと心の中で考える。

願い事か。今のわたしが願うことは、やっぱり……。

「スウィートドリーム・プロジェクトで優勝できますように」

そう言葉にしてもう一度空を見上げると、雲の隙間からちょうど星が見えた。

凛ちゃんも皇月先輩も、あの星みたいに遠くて手の届かない存在だったのに。

今は実際に会って話すことができるようになったなんて、信じられないけど。

頑張って優勝して、自信を持って皇月先輩と凛ちゃんの隣に立てるようになりたい。

ひとりきりの誕生日で落ち込んでいたけれど、今日届いたスウィガは、まるで『音夢』というもうひとりのわたしからの誕生日プレゼントのように思えた。