「うわ~このケーキ可愛い!“海底のパーティー” だって」

「こっちのゼリーは “人魚姫の涙” っていう名前だよ。すごいこだわってるね」

「これは絶対インスタ映えだよね!あとでアップしよう!」

瞳をキラキラさせながらスマホのカメラで写真を撮るわたしと凛ちゃん。

「おまえらはしゃぎすぎだろ」

そんなわたしたちを見て、呆れたようにつぶやいたのは皇月先輩。

「だってこんな可愛いスウィーツ見たら女子はテンション上がりますよ!」

凛ちゃんとふたりで顔を見合わせて「ね~」と言い合うと、皇月先輩は「好きにしろ」と言いながらさっさと自分の席に戻っていった。

「やっぱり男子はこういうの興味ないみたいね。ここ、最近大人気で予約取るの大変で有名なビュッフェなんだけど」

わたしたちの会話を聞いていた美雲さんが苦笑しながらそうつぶやいた。