マイクの前に立って答辞を読み始めた先輩は、さすが生徒会長とモデルをしているだけあって、落ち着いて堂々としていて。
読み終えた後には会場から盛大な拍手が起きた。
そしてクライマックスの卒業ソングを歌う場面では、卒業生はもちろん、在校生からもあちこちですすり泣きが聞こえて来て、思わずわたしまで目が潤んでしまった。
無事に式が終わり、ロビーは記念撮影をする生徒や保護者で溢れている。
皇月先輩のところには当然ファンの人達が長蛇の列を作っていて、とても近寄って話しかけられる雰囲気じゃない。
もう諦めて帰ろうと出口へ向かった時。
「月島さん」
後ろから呼び止められて振り向くと、そこにいたのは如月さんだった。
「ちょっと話があるんだけど、いい?」
そう声をかけられたけど、クリスマスパーティーの時みたいにまたいじめられたらどうしようという不安が胸をよぎった。