「ピーピーピー」


どこからかそんな機械音が聞こえる気がする。


だけど待って、もう少しもう少しだけ。後少しであなたの背中が掴めるの。


・・・止まった?チャンス!



「ユイ、キミハイツミテモカワラナイネ。ズットズットヤサシクテツヨイコ。」


あなたは、また急に立ち止まって振り返る。
最後に会った時と変わらずね。


「そんなことない。そんなことない。私は、私はあなたを守れなかった。」


溢れそうになる涙をこぼすもんかと目に力を入れる。

守ると決めていた人を守れなかったのだ。

守ると決めていた人を私が殺したのだ。

あなたの言う優しくて強くなんてない。

いつまで経っても何もできない意気地なしのダメなヤツだ。