〈side 飛羽〉


クソ！



どう言うことだ？



悠依は、英語で謝ってるし、「お兄ちゃん」ってだれだ？

何に謝ってんだ？

お兄ちゃんがいるだなんて聞いたことないぞ。


「おい！救急車は、呼べたのか！？」


「呼びました。」


さっきまで動揺していた金髪の運転手、漪波　暁斗（さざなみ　あきと）は、何事も無かったように、冷静になっていた。


俺とは違って臨機応変能力が半端ないヤツだ。


「なぁ、どういうことなんだ。なぁ、おい。」


冷や汗がダラダラと流れてきて冬だというのに服は真夏の真っ昼間外に出た時のようにびっしょりと濡れていた。

「そんなに慌てても状況は変わらないんですから少しは落ち着いてください。」


「はい！深呼吸してください。吸って〜吐いて〜・・・」



「はは。バカにすんなよな！」