(あったまいてぇ、、んだこれ、、)


頭をハンマーのようなもので殴られるほどの痛みが走る。私はふと思った。
(これ、6時間目の小テスト受けらんねぇじゃん)と。

それほどまで痛い中、5時間目を耐え抜く。

やっとの思いで終わった授業。
帰ろうとすると、先生がやってきた。

「おー、小鳥遊。今日どうしたんだ、体調悪いのか?」

「いやー多分大丈夫っす。ちょっと頭痛いですけど、」

そう答えると、後ろから声がした。

「まじ?大丈夫?あんま無理すんなよ!」

その声の主は紀伊馬大翔(きいまはると)だ。
そして、教室に帰る道の途中の階段で、

「確かに、今日元気ねぇよな。いつもだったら話してきたりするのに…ま、なんかあったらすぐいえよ。」

「うん、ありがと。」

と簡潔に会話が終わるも、彼は先に行くわけでもなくそっと私の隣を歩いていた。

その少しの優しさがすごく嬉しかった。
自分でもびっくりした。
人はこんなにも胸が高鳴るものなのかと。
その日私は彼、
紀伊馬大翔に恋をしたのだ。