私の旦那様には3つの顔がありました!?





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 湊がわたしが気になっていた話を全て話してくれた。



「これで灯の好きなところわかった?」
「……つまり?」
「つまりか……。うん、全部が好きってことだね。」


 そう言った途端、わたしをぎゅうっと抱きしめた湊。
 力が強くて少しだけ息ができない…。


「元カノの話とか聞いても辛くないの?」
「み、湊が話してくれたことの方がわたしは嬉しいの!」


 抱いたとかキスだとかそういう話は少しもやっとはしたけれど……。
 それは湊には内緒にしよう、ヤキモチだなんて恥ずかしいし。


「ふーん?俺だったら死ぬほど嫌だけどね」
「俺だったらって、わたしにそんな相手いたこともないわよ?」



 まず、そこまで誰かと仲良くなることもなかったし、しようとも思わなかったから。



「じゃあ俺が灯の初めて全部もらえるんだ?」
「もらえるどころか、貰ってくれないとこ、困るのよ。」


 腕を組んで強気な姿勢のはずが、また恥ずかしくて湊の顔を見れずに俯いてしまった。



「ふーん。いいんだ?俺、好きって気持ち表に出したらもう止まらないかも。」
「か、かかってきなさいよ……!」



 そうして、わたしたち夫婦初めてのプチ夫婦喧嘩は幕を閉じたのだった。