無自覚なまま、愛を蓄えて。


天宮さんは白いエプロンを着ている。


50代半ばのおじいさんって本人はいつも笑っているけど全然おじいさんって感じはなくて。むしろ若々しくて、50代半ばには見えない。



「いいのよ。むしろちょうどいいくらいだよ」


「そうですかね?」


「そうよ。いつも早すぎるくらいだからね」



あはは、と笑いながら話をするマスター。


少し話をしてから私は着替えるために更衣室により、着替えを始めた。ここは私がバイトをしているカフェ。


マスターとは長い付き合いで、いつも良くしてもらってる。感謝してもしきれないくらい、マスターには頭が上がらない。


髪をヘアゴムでひとつに結って、エプロンを着る。これがいつものバイトスタイル。


さぁ、今日も頑張るぞ。


小さな鏡を見ながらペチン、と頬を軽く叩き喝を入れる。


私は働かないと、家に帰れないんだから……。



「優星ちゃん、レジお願い出来る?」