無自覚なまま、愛を蓄えて。


「や、別に?ただ優星ちゃんとお話してただけだよ?」


「ふーん?」



早乙女くんは慌ててイケメンスマイルを振りまいた。その笑顔すらも怖く感じるのは私だけだろうか。


蘭ちゃんはあまり興味がなさそうに別の人と話をし始めた。私はタイミングを見計らい、合コンを抜け出した。



「真桜、ごめん!もう私帰るね!」


「う、うん!」


「あ、おい!」



真桜にだけ声をかけてから私は猛スピードでカラオケ店を出る。早乙女くんにも声をかけられたけど無視。


私は、無意識にカバンに手を入れ、スマホを取り出す。はぁはぁと息切れするがお構い無しに走る。


その間、心臓がドクドクと今まで感じたことの無いスピードで脈打っていた。


なんで、なんで見ず知らずの早乙女くんが私のことを知っているのだろう。頭の中はその事でいっぱいだった。


梓くんが関わっているのかもしれないけど、最近はほんとに関わりなんてなくて。