無自覚なまま、愛を蓄えて。


全然悪いと思っていないであろう顔がにやりと笑う。その顔が恐ろしくて、ゾクゾクっと寒気が走った。



「……じゃ、じゃあ私先に戻るね。優星、待ってるから」


「あっ、ちょっと真桜!?」



ただならぬ雰囲気を感じたのか真桜がそそくさと先に部屋に戻って行った。恐怖で動くことができない私を置いて。


なんだか分からないけど、早乙女くんからは触れてはいけないオーラを感じた。



「わ、私も、戻ろうかな……ひゃ!」


「ねぇ。もう少し2人で話そうよ。君の好きな人ってもしかして……」



私もなんとか足を動かして部屋に戻ろうとした。だけどそれを早乙女くんに止められる。


腕を強く引っ張られ、誰にも見えない壁の位置でがっちりとホールドされていた。チャポン、とコップに入ったジュースが揺れる。



「……東郷梓くん?もしかして、噂の幼なじみちゃんって君のことなのかな?」


「……っ、な、んでそれを……!?」