無自覚なまま、愛を蓄えて。


だけど実際はそんな少女漫画みたいな胸キュンストーリーは一切ない。


むしろ私が嫌がって変な雰囲気になったまでもある。



「な、ないない。ほら、学校でもいったでしょ?私には好きな人がいるから今日はただの人数合わせ。あんなかっこいい人が私の事んてなんとも思ってないよ」



あはは、と苦笑いしながら自虐的にズラズラと言い訳みたいなことを並べる。


でも、ホントのことしか言ってないし間違っては無い。……と思う。



「そうかなー。メガネとったらめっちゃ美少女でかわいいのに。なんでそんなに自信ないのかよくわかんない。それに、好きな人ってほんとにいるの?」


「……いるよ。小さい頃から、好きな人」



真桜に鋭いことを言われ、うっと言葉につまる。だけど、好きな人のことを疑われて思わず言ってしまった。


“小さい頃から、好きな人”と。


その瞬間、梓くんの顔が頭に浮かび、勝手に頬が熱くなる。