無自覚なまま、愛を蓄えて。


これで動かなかったら本当にクズな親父だ。前から思っていたことが今になってチャンスが訪れた。


この賭けにかけてみるか。



「おい、梓!!」



俺は理人の声を無視しながらヘルメットを被りバイクにまたがる。


自分勝手でお節介かもしれないが、恐らく今が1番のチャンス。


優星……こんな俺を許してくれ。


たとえどんなことがあっても、お前を守り抜くと誓ったんだ。どうか、無事でいてくれ。


夜の街をバイクで走らせ、俺はとある目的の場所まで無心で向かった。


数分、バイクを走らせると目的の場所が見えてきた。バイクを橋に駐車し、顔を上げる。



「……いるな」



顔を上げながらボソリとつぶやく。


辺りを見渡し、俺は階段を上がった。


……ここは優星の住んでいるアパート。


俺の目的地はここだった。優星の住んでいる部屋を目指して歩く俺は不審者かもしれないな。


誰にも見つからないように周りに気をつけながら部屋に向かう。