無自覚なまま、愛を蓄えて。


「……お前、気づいていないのか?」


「え?」


「優星が眠る時、いつもうなされてる。嫌な夢でも見てるんじゃないのか?その大丈夫は……大丈夫じゃないやつだ」



梓くんは、私と向き合うと、手をぎゅっと握ってくれる。


たしかに最近嫌な夢を見るけど……。


そんなにうなされてた?



「あ、ずさくんには関係ないよ。私は本当に大丈夫だから」



梓くんには、家のことで迷惑をかけられない。ただでさえ負担をかけているのだから。これ以上は……。



「無理して笑うな。俺は優星の笑顔は好きだが今のお前は嫌いだ」


「……え?」



梓くんに“嫌い”と言われてドクン、と心臓が跳ね上がる。


私のこと……そんなに迷惑なのかな。



「好きなことして、幸せそうに笑ってる優星が好きなんだ。だけど今のお前はそうじゃない。なんだか苦しそうで、生きるのも辛そうだ。……悩んでるんじゃないのか?あの親父のことで」