無自覚なまま、愛を蓄えて。


両親がとうとう離婚して、片親になった頃から言われていた。


そして、高校1年生の春。


私は、お父さんに……殺されかけた。


酒に酔った勢いで包丁を私に振りかざす。咄嗟に私は避けたけど……背中に大きな傷を残した。


幸い命には別状はなかったけど……消えない傷を私は負ってしまった。



『お前なんかしねぇぇ!』



あの時のお父さんはとても怖かった。


今でも夢に見る。


お父さんの、あの恐ろしい表情を……。



「……ゆら、……ゆらっ!」



そこまで思い出して、ハッと目が覚める。


ピピピ、ピピピ……とスマホのアラーム音が部屋に響いている。どうやらセットした10分が終わったらしい。



「お前、大丈夫か?汗びっしょり。なんかうなされてたみたいだが」


「梓、くん?……な、なんでもない。なんでもないよ」



ようやく意識が戻り始め、梓くんの存在を認識した。