無自覚なまま、愛を蓄えて。


……トクン、トクン……。


まるで自分の心臓の音しか聞こえなくなったかのように、周りの音は聞こえない。



「あ、そうだ。優星、スマホの電源入れとけよ。メッセージ送っても電話しても繋がんなくて心配したぞ」


「……ごめん。バイト前に入れておくよ」



梓くんの手が離れたのと同時に、スマホのことを言われてドキッとする。


そういえばスマホの電源落としたままだった。お父さんからメッセージ来たから……。


バイト前にちゃんと入れておこう。



「それじゃあ、バイト行ってきます」


「気をつけろよな」



バイト前まで送ってくれた梓くんとお別れする。


私はマスターに挨拶してから更衣室に入り、スマホの電源を入れた。