彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)











「お前は何をしたいんだ!?凛道蓮君の―――あの子たちの敵か!?味方か!?」

「あばよ、たーさん。」

「!?」










驚く老人を残し、バイクは走り去る。










「その呼び方・・・・・!?」










たーさんと、わしを呼ぶのは、1人だけ。










―子ども扱いされたくない、でも子供として甘えたい。ならば、たーさんと呼ぼうかね?―










そうおっしゃって、たーさん、たーさんと呼んで可愛がってくれたのは、後にも先にも一人だけ。












「竜憲兄上・・・!」












わしを、たーさんと呼ぶ唯一のお方。










その事実を知るのは、この世にはもういないはずなのに―――――――












「なぜ、お前がその呼び方を知っている・・・檜扇柊護・・・・・!?」












言い知れる恐怖を覚えながら、青年が立ち去った方角を見つめる。
その足元に、近所の地域ネコがすり寄ってくるが、大の猫好きの僧侶は見向きもしない。
猫に気づきもしないほど、檜扇柊護の印象は強烈で、彼に対する考えを改める必要性に問われる。










―竜憲さん、現代に転生してるよ。―










宗方烈司こと、LEONの言葉がよみがえる。










(まさかまさか!!)










占い師の言葉と、今起きた出来事から、1つの推理が頭をよぎる。










(いや!!そんなはずない!!)

転生する場合、生まれる場所を選べるはずだ!!

行きたいところに行くはずだ!!

(それを思えば、竜憲兄上の転生先はあんなところじゃないに決まって―――――――――!!)



―たーさん、物事は臨機応変に対応しないといけない。でもね、私は出来る限り、話し合いで解決したいと思ってる。相手が悪い場合は、相手が自分の過ちに気づくまで、待っていようと思うのだよ。―



「竜憲兄上――――――――――――・・・・・・・・・・!!」










よみがえった記憶は、優しくも残酷なもの。












(・・・占いは信じないが、これは信じるとしよう。)












ただし、信じるとなると、それは非情な現実。
仏とは、生きることに苦行を与える存在なのだと、改めて痛感したのだった。














~予期せぬ一騎打ち!?凛道蓮も菅原凛も大前進!!~完~

~彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)10~完結~