「お前は何をしたいんだ!?凛道蓮君の―――あの子たちの敵か!?味方か!?」
「あばよ、たーさん。」
「!?」
驚く老人を残し、バイクは走り去る。
「その呼び方・・・・・!?」
たーさんと、わしを呼ぶのは、1人だけ。
―子ども扱いされたくない、でも子供として甘えたい。ならば、たーさんと呼ぼうかね?―
そうおっしゃって、たーさん、たーさんと呼んで可愛がってくれたのは、後にも先にも一人だけ。
「竜憲兄上・・・!」
わしを、たーさんと呼ぶ唯一のお方。
その事実を知るのは、この世にはもういないはずなのに―――――――
「なぜ、お前がその呼び方を知っている・・・檜扇柊護・・・・・!?」
言い知れる恐怖を覚えながら、青年が立ち去った方角を見つめる。
その足元に、近所の地域ネコがすり寄ってくるが、大の猫好きの僧侶は見向きもしない。
猫に気づきもしないほど、檜扇柊護の印象は強烈で、彼に対する考えを改める必要性に問われる。
―竜憲さん、現代に転生してるよ。―
宗方烈司こと、LEONの言葉がよみがえる。
(まさかまさか!!)
占い師の言葉と、今起きた出来事から、1つの推理が頭をよぎる。
(いや!!そんなはずない!!)
転生する場合、生まれる場所を選べるはずだ!!
行きたいところに行くはずだ!!
(それを思えば、竜憲兄上の転生先はあんなところじゃないに決まって―――――――――!!)
―たーさん、物事は臨機応変に対応しないといけない。でもね、私は出来る限り、話し合いで解決したいと思ってる。相手が悪い場合は、相手が自分の過ちに気づくまで、待っていようと思うのだよ。―
「竜憲兄上――――――――――――・・・・・・・・・・!!」
よみがえった記憶は、優しくも残酷なもの。
(・・・占いは信じないが、これは信じるとしよう。)
ただし、信じるとなると、それは非情な現実。
仏とは、生きることに苦行を与える存在なのだと、改めて痛感したのだった。
~予期せぬ一騎打ち!?凛道蓮も菅原凛も大前進!!~完~
~彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)10~完結~


