彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






Felicita(フェリチータ)を後にしたわしは、バス停でバスを待っていた。
暴走族の集会というのは、真夜中にする者だと思っていたが、チームによって違うらしい。
特に、暴走族の中でも特殊な龍星軍の集会は、その日のメンバー全員の都合に合わせてするらしく、今日のような夕焼けから始めることもあるらしい。
瑞希君が饅頭のお礼にと、ノンカフェインだけでなく、お土産に洋菓子を持たせてくれた。
Felicita(フェリチータ)の店で出している人気商品らしいので、今から食べるのが楽しみだ。








(しかし・・・さすがにしゃべり過ぎたかのぅ・・・)

10代の子供に、凛道蓮君に、皇室の闇を話し過ぎた。

証拠もないことまでしゃべってしまった。

深く追求すれば、根掘り葉掘り調べれば、本当に殺されるかもしれない話までしてしまった。








「なぜじゃろうな、竜憲兄上・・・。」

なぜ、凛道蓮君に話してしまったのか。

(年寄りが若者を、それも子供頼りにしているということなのか・・・?)

一番相談したい相手は、もうこの世にはいない。

だから、自己完結させるしか方法はない。



「凛道蓮君とは、不思議な子だ・・・。」








そうつぶやき、オレンジに染まる空を見上げた時だった。








ギュウオオン!!

「ん?」








爆音が近づいてきたと思ったら、わしの側で止まる。
停止したバイクにまたがっていたのは―――――――――










「檜扇柊護!!?」










憎っくき、檜扇家の後継者だった。








「フン!!」








気分が悪くなったので無視する。
これに相手は、気にするそぶりも見せず、バイクを止め、無言で降りてくる。
こっちに近づいてくる。










「ああ、胸糞悪い!!現在進行形で、縁起が悪いものを見せられている!!」










そう言ってそっぽを向く。
何か仕掛けてきても、無言を貫くか、力任せにねじ伏せればいい。
そう思っていた。








「にゃ~♪」

「なに!?」








推定8か月ぐらいのネコちゃんの声がした。








(ねぇーこチャン♪)








反射的に鳴き声のした方を見れば―――――――――










「あ!?」
「くっくっくっ!」










ボイスレコーダーを再生している檜扇柊護がいた。










〔★猫好きじいさんはダマされた★〕