彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)




放課後、いつもだったら真っ直ぐに瑞希お兄ちゃんに会いに行くために学校を後にする菅原凛はそれをしなかった。





「後藤先生、本日はお時間を作って頂き、誠にありがとうございました。」
「いいのよ、菅原さん!先生はずっと、菅原さんと話をしたかったの!」





生徒指導室の1室で、私は後藤先生とテーブルをはさんで、向かい合わせに座っていた。
ヤマトから、後藤先生のよくいる場所や通路を聞き、待ち伏せをした。
私を見るなり、後藤先生は、





「菅原さん、こんにちは。今、菅原さんの学校生活、人間関係は――――――――大丈夫・・・?」





周囲を気にしながら聞いてきたので、小声で答えた。








「大丈夫じゃないです。私、渕上ルノアさん達と井谷先生を中心にした全校生徒にいじめられてます。助けて下さい・・・!」
「!?詳しい話を聞かせて!場所を変えましょう・・・!」








私の答えを聞き、私の肩を抱いて、守るように移動してくれた後藤先生。
そして、今に至るのだが――――――――





「なんてひどいことを・・・!渕上さん達も許せないけど、井谷先生は教師の恥だわ!許さない・・・!」





いじめのきっかけであった、宿題を見せていたことから始まり、レイプ未遂にあったことまで伝える。
話を進めるにつれ、どんどん後藤先生の顔が怖くなっていった。








「菅原凛さん、話してくれてありがとうございました。」








すべて話し終えた時、力強い声で後藤先生は言った。








「菅原さんが、勇気を出して話してくれて、先生は嬉しいわ。菅原さんだけでも守りたい。」
「後藤先生・・・私はいじめが解決することを期待していません。相手は天下の渕上財閥の令嬢・・・寄付金であゆみが丘学園の校長達を買収している敵に、勝てるとは思えません。ましてや、私の両親まで、味方にしています・・・。」
「だからなに?あきらめないで!」








しぶる私に、後藤先生は熱弁した。