「両親を自分の味方にして、菅原凛を孤立させる作戦なのだろうな。」
「凛、それは早急に手をうった方がええぞ。」
「ヤマト。」
「嫌なことやから、目を背けたくなるんはわかる。嫌なことやからこそ、早めに解決させんと、手遅れになるで。」
「・・・考えておくよ。」
両親にはなにも期待していない。
前向きな希望は持っていない。
私の意見など、産まれてこのかた、聞き入れてくれたことのない2人だから。
「凛、1度親と話し合い。今まで十分我慢してきたんや。もう潮時や。」
「・・・話し合って、なにか変わるとヤマトは思ってる?」
「凛道蓮なら、1%の可能性にもかける。可能な限り、話し合いで解決しようとするはずや。」
「・・・私は菅原凛よ。」
「知っとる。」
真っ直ぐに私を見すえながらヤマトは言う。
「凛つながりや。凛道蓮に出来るなら、菅原凛にも出来る。やらずに後悔するより、やってから後悔した方が、後腐れないやろう?」
「ヤマト・・・俺の背中を押してくれてんの?」
「そんな御大層なもんやない。菅原凛にも、諦めないでいてほしいだけや。りんどうれんが簡単に諦めへんみたいに、菅原凛にも粘ってほしいんや。」
「粘る・・・ね。」
ヤマトはわかってない。
私の両親のこと。
「凛のおとんとおかんが、どないな奴らかは知っとるで。」
「え!?」
私の胸の内を知るような発言にヤマトを見る。
彼は、少しだけずらしたサングラスから、キレイな瞳をのぞかせながら言った。
「体育祭の時、めっちゃ渕上ルノアに媚びとった。これが、凛の染色体のソースか疑うほど、悪霊にペコペコしとった。凛の担任にもな。」
「え!?井谷に?」
渕上ルノアは予想していたが、担任の女教師・井谷は予想外。


