彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






「両親を自分の味方にして、菅原凛を孤立させる作戦なのだろうな。」
「凛、それは早急に手をうった方がええぞ。」
「ヤマト。」
「嫌なことやから、目を背けたくなるんはわかる。嫌なことやからこそ、早めに解決させんと、手遅れになるで。」
「・・・考えておくよ。」





両親にはなにも期待していない。

前向きな希望は持っていない。

私の意見など、産まれてこのかた、聞き入れてくれたことのない2人だから。





「凛、1度親と話し合い。今まで十分我慢してきたんや。もう潮時や。」
「・・・話し合って、なにか変わるとヤマトは思ってる?」
「凛道蓮なら、1%の可能性にもかける。可能な限り、話し合いで解決しようとするはずや。」
「・・・私は菅原凛よ。」
「知っとる。」





真っ直ぐに私を見すえながらヤマトは言う。





「凛つながりや。凛道蓮に出来るなら、菅原凛にも出来る。やらずに後悔するより、やってから後悔した方が、後腐れないやろう?」
「ヤマト・・・俺の背中を押してくれてんの?」
「そんな御大層なもんやない。菅原凛にも、諦めないでいてほしいだけや。りんどうれんが簡単に諦めへんみたいに、菅原凛にも粘ってほしいんや。」
「粘る・・・ね。」

ヤマトはわかってない。

私の両親のこと。

「凛のおとんとおかんが、どないな奴らかは知っとるで。」

「え!?」





私の胸の内を知るような発言にヤマトを見る。
彼は、少しだけずらしたサングラスから、キレイな瞳をのぞかせながら言った。





「体育祭の時、めっちゃ渕上ルノアに媚びとった。これが、凛の染色体のソースか疑うほど、悪霊にペコペコしとった。凛の担任にもな。」
「え!?井谷に?」





渕上ルノアは予想していたが、担任の女教師・井谷は予想外。