彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)




世間はひどかった。



「聞いたか?凛道蓮・・・人を刺したらしいぜ?」
「マジか!?」
「マジマジ!」
「つーか!今まで、刺さなかった方がどうかしてる。」
「凛道さん、キレるとヤバいからなー」
「ジャック・フロストらしく、笑顔で刺したんだってよ!」
「うわ!ガチのサイコパスじゃん!?ヤバいヤバい!!」
「けど、その情報フェイクじゃなかったっけ?」
「いやいや!ガチもんだよ!!」
「なんでそう言い切れるんだ?」
「俺、A組の奴の情報通から直接聞いたんだ!!そいつが、確かな情報筋から聞いたって教えてくれたんだよ!」
「それで!?誰刺したわけ!?」
「ヤクザか!?半グレか!?海外マフィアか!?サツか!?」
「それがさ~どっかの大企業の社長だってよ!!」
「えー!?社長かよ!?」
「凛道様のことだから、悪徳社長をやっつけたんじゃなーい?」
「ありえるー♪痛快だもん、毎回♪」
「正義の味方よねぇー♪マジ、大好き♪」



(俺はお前らが大嫌いだけどな!!!)



凛道蓮の話で盛り上がるいじめっ子達に、心の中で毒づく私。
菅原凛として、いつも通り、あゆみが丘学園に登校した。
相変わらず、上履きはゴミ箱に入っていて、教室の机の上にはゴミが置かれているが、気にしない。
うつむいて数秒ほどジッとして、悲しむ演技を見せれば、いじめっ子達は満足する。
だから最近はそれでやり過ごしていたが―――――――――





(今日はそんなに絡んでこないと思えば――――――――まさか、『僕』の話をしてるとは。)





そんなに日数は経ってないのに、『凛道蓮が人を刺した』といううわさがもう広がっていた。





(なんでこんなに早く、情報が漏れたのかしら・・・?)





その答えは、昼休みのランチタイムで判明をした。










「え!?口ひげ超エロ親父が言いふらしてる!?」
〈そうなんだよ、凛・・・〉










電源をONにした凛道蓮の携帯に、瑞希お兄ちゃんがかけてきてくれた。