彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






ヘルメットマンさんには、悪いことをしたと思ってる。
やり過ぎたと・・・今なら思える。





逆に、口ひげエロ親父に関しては、手ぬるかったと思ってる。
でも、皇族が味方に付いていることを考えれば、あれだけ反撃できただけ、上出来かもしれない。





(とはいえ・・・夫大好きの元皇族が、このまま黙ってるとは思えない。私を逮捕しようと、強引に犯罪を捏造してくるかもしれない。)

そうなったら、瑞希お兄ちゃんが巻き込まれるかもしれない。

(そんなことにならないためにも――――――――――瑞希お兄ちゃんに伝えなければいけない。)





「瑞希お兄ちゃん・・・もし僕が、元皇族の圧力で捕まったとしても、助けに来ないで下さい。あなたを危険に巻き込みたくないです・・・。」
「安心しろ、凛。もし、凛が捕まりそうになったら俺が側にいてやる。」
「え?」
「一緒に、2人で逃げよう。」
「えっ!?」
「なぁ、いいだろう?」





まさかの申し出に、頭がフリーズする私。








(愛の逃避行・・・だと!!?)








脳みそが再起動した時、漫画・ドラマ・アニメ・小説で見聞きした知識が頭を駆け巡る。











私が瑞希お兄ちゃんと、逃避行を続け数か月。
季節は冬へとうつり変わっていた。





「凛、烈司から連絡がきた。前の隠れ家に、サツが踏み込んだそうだ。」
「やはりきましたか。早く脱出して正解でしたね。」





空き家となった戸建てに、ソーラーパネルの暖房器具を設置しながら瑞希お兄ちゃんは仰った。





「凛、寒くないか?この隠れ家は、前の隠れ家ほど暖房がないからな。荷物もあまり持ち出せなかったから、毛布も――――――厚手とはいえ、これ1枚だけ・・・。」
「僕は大丈夫です。むしろ――――――――瑞希お兄ちゃんを巻き込んでしまって、申し訳ないです。」
「ばか!それは言わない約束だろう!?ほら、こっち着て暖房にあたれ!毛布にくるまれ!!」
「瑞希お兄ちゃんも一緒に使ってくれなきゃイヤです。」
「わかった、わかった!ほら!」」





そう言って毛布を羽織ると、手招きしながら、胡坐をかいている自分の膝を叩く瑞希お兄ちゃん。
言われるがまま近寄り、瑞希お兄ちゃんの胡坐をかいている両ひざの中心部にちょこんと座れば、毛布をまとった両手が、私の身体を包み込んでくれた。