彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)









受け身が取れずに落ちたので、身体全体をまんべんなく打ってしまった。








「くそっ!」








痛みをこらえながら、這って道路まで逃げる。










(これは真面目に逃げないとヤバい!!)

捕まる!!










背後に迫る気配に危機感を覚える。





「さんざん大人を馬鹿にしやがって!!」

フミッ!!

「わあ!?」





背中を足で踏まれる。
体重をかけられ、肺が痛くなった。





「観念しろ!!」





そう言いながら、2人目が私の首を踏む。





バン!

「うぐ!?」

(身動きがとれない!!)


「おら、捕まえた!」





最悪の事態が近づく。
真後ろで、ご機嫌な敵の声が聞える。










(もうだめ――――――――――――――――――――――――!!)

捕まる!!



(助けて!!瑞希お兄ちゃ――――――――――――――――――――ん!!!)



バウーン!

「りーん!!」



「え!?」


ドスッ!!

「ぐあ!?」










エンジン音と、ニブいうめき声。












「凛、無事かっ!!?」

「瑞希お兄ちゃぁぁん!!?」












顔を上げれば、私の背後に愛しい人がいた。
単車にまたがり、その前輪は、人間を下敷きにしている。
どうやら、私を捕まえようとした1人を跳ね飛ばし、もう1人をバイクで押しつぶしてくれていた。







〔★良い子は真似してはいけません★〕







「凛っ!!」







素早くバイクの前輪を上げて、押しつぶしていた敵を開放する。
そして華麗に方向転換してバイクを止めると、うつ伏せになっている私に駆け寄る瑞希お兄ちゃん。










「しっかりしろ、凛!!?大丈夫か!!?」

「うっ、ひぐ・・・・瑞希おにいじゃ・・・・!!」

「もう大丈夫だからな!!!?」










抱きしめられ、私の涙腺が決壊した。










「う、あああああああん!お兄ちゃん!瑞希お兄ちゃん!!」

「よしよし・・・!安心して、好きなだけ泣け・・・!」










私を優しくあやすと、固まっている敵に向かって瑞希お兄ちゃんは怒声を上げた。












「なにしてんだ、コラァ!!!?」

「ひっ!?」
「ひえ!?」













それでひるんで、後ずさりをする残りの2名。










「なんとか言えや・・・!!!」










初代龍星軍総長の顔で、メンチをきる好きな人。
怒った顔も素敵と思っていれば―――――――――













「「「「なにしてんだっ、ゴラぁ!!?」」」」












先ほどと同じセリフが、大音量で再び響く。

身体を打ったせいで、ジンジンしていたと思ったがそうじゃない。

それは地面から伝わってくる振動だった。