受け身が取れずに落ちたので、身体全体をまんべんなく打ってしまった。
「くそっ!」
痛みをこらえながら、這って道路まで逃げる。
(これは真面目に逃げないとヤバい!!)
捕まる!!
背後に迫る気配に危機感を覚える。
「さんざん大人を馬鹿にしやがって!!」
フミッ!!
「わあ!?」
背中を足で踏まれる。
体重をかけられ、肺が痛くなった。
「観念しろ!!」
そう言いながら、2人目が私の首を踏む。
バン!
「うぐ!?」
(身動きがとれない!!)
「おら、捕まえた!」
最悪の事態が近づく。
真後ろで、ご機嫌な敵の声が聞える。
(もうだめ――――――――――――――――――――――――!!)
捕まる!!
(助けて!!瑞希お兄ちゃ――――――――――――――――――――ん!!!)
バウーン!
「りーん!!」
「え!?」
ドスッ!!
「ぐあ!?」
エンジン音と、ニブいうめき声。
「凛、無事かっ!!?」
「瑞希お兄ちゃぁぁん!!?」
顔を上げれば、私の背後に愛しい人がいた。
単車にまたがり、その前輪は、人間を下敷きにしている。
どうやら、私を捕まえようとした1人を跳ね飛ばし、もう1人をバイクで押しつぶしてくれていた。
〔★良い子は真似してはいけません★〕
「凛っ!!」
素早くバイクの前輪を上げて、押しつぶしていた敵を開放する。
そして華麗に方向転換してバイクを止めると、うつ伏せになっている私に駆け寄る瑞希お兄ちゃん。
「しっかりしろ、凛!!?大丈夫か!!?」
「うっ、ひぐ・・・・瑞希おにいじゃ・・・・!!」
「もう大丈夫だからな!!!?」
抱きしめられ、私の涙腺が決壊した。
「う、あああああああん!お兄ちゃん!瑞希お兄ちゃん!!」
「よしよし・・・!安心して、好きなだけ泣け・・・!」
私を優しくあやすと、固まっている敵に向かって瑞希お兄ちゃんは怒声を上げた。
「なにしてんだ、コラァ!!!?」
「ひっ!?」
「ひえ!?」
それでひるんで、後ずさりをする残りの2名。
「なんとか言えや・・・!!!」
初代龍星軍総長の顔で、メンチをきる好きな人。
怒った顔も素敵と思っていれば―――――――――
「「「「なにしてんだっ、ゴラぁ!!?」」」」
先ほどと同じセリフが、大音量で再び響く。
身体を打ったせいで、ジンジンしていたと思ったがそうじゃない。
それは地面から伝わってくる振動だった。


