彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)











「今の檜扇家は、皇室から降嫁した未子の力で、財界や政界に幅を利かせてる。檜扇家と高野家が、好き勝手出来たのも皇族だった未子のおかげ。今回の件で、高野家が表舞台に立つことはないが、檜扇家の栄華はまだ続く。皇族の身内は、皇族がかばうから、日本の警察は手出しができない。」
「そんな!!不公平です!!」
「それが世間ってもんなんだよ、坊主。覚えとけ!!」

パシッ!

「あ!?」










そう言うと、私から檜扇湖亀達の悪事と、檜扇未子の不適切発言が収録されたデータを手にしてくれるおじさん。










「受け取ってくれるのですか!?」
「期待は持つな!!無意味だが、持ってないよりマシだ!!何かの時に役立つかもしれんからな・・・!!」










そう言いながら、ポケットにしまってくれる優しい刑事さん。










「ありがとうございます、フジバラさん!!これで、殺された竜憲さん達も浮かばれます!!」
「だから期待すんなって!!元皇族の身内に捜査許可が下りた前例がないんだ!!ムダなんだよ!!」
「でも、警察官であるおじさんが、悪事の証拠を持ってることに意味はありますよね♪」
「チッ!ポジティブな坊やだぜ!!」

チーン!










そこでエレベーターが1かいに到着する。
そこでもおじさんは真っ先に降りると、振り返って瑞希お兄ちゃんを指さしながら言った。










「これだけは覚えとけ、坊主!!真田瑞希が逮捕されてこなかったのは、元皇族の身内というのは関係ない!!」
「え!?」
「関係があるのは―――――――獅子島伊織の実家の力の方だ!!」










そう言いながら、今度は獅子島さんを指さすバラさん。
これにメガネの先輩は、メガネを直しながら口元だけで笑う。










「大げさだな、刑事さん。獅子島家はなにもしてないが?」
「ああ、獅子島家は、な!!けど、獅子島の名前をうまく使ったのは、オメーだろう、伊織!?」
「さてさて、なんのことやら。」
「ケッ!!やっぱりオメーらは、現役時代にパクッときゃよかったぜ!!」










そう言うと、こちらに背を向けながらバラさんは言った。










「あばよ、悪ガキども!!けど、これだけは忘れるな!!警察組織が動けなくても、悪は必ず裁かれる!!」
「おじさん。」
「むろん、その悪には、オメーラもカウントされてるからな!?」










そう言い残して去っていく背中を、私は瑞希お兄ちゃんと手をつないだ状態で、じっと見つめるのだった。