彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)









「おじさん、これをもとに、檜扇湖亀一族に刑事事件捜査して下さい。」
「・・・。」








私の申し出に、差し出した電子機器をじっと見つめるバラさん。





チーン!





VIPのエレベーターが止まり、ドアが開いた時、真っ先に出ていくバラさん。








「あ、待って下さい!!これ、かなり効力のある殺人の証拠になりますよ!!だから、殺人事件の捜査を―――――――」
「俺の仕事は、お前のようなヤンキーを、非行少年をパクることだ。」
「同僚の、殺人事件担当の刑事さんに渡して下さればいいです!!捜査して下さい!!」








先先行く大人を必死で追いかける。
相手は、普通病棟につながるエレベーターの前までくると、下りるボタンを押してから言った。








「坊主・・・殺人には時効があるんだ。」
「はあ!?何言ってるんですか!?殺人に時効なんてないですよ??」
「昔はあったんだよ!!15年経てば、時効で無罪放免って悪しき法律がな!!」








そう言うと、私の顔を覗き込みながら言った。










「檜扇湖亀の殺人ってのは、少なくとも半世紀近く前の事だろう?とっくに時効を迎えてるんだ!!」
「え!?そ、それじゃあ、殺人の捜査は――――――!!?」
「・・・今と同じで、時効がなければよかったんだがな・・・。」
「そんな!!」










出来ないという返事をするおじさんに、時代の壁を感じる私。
ほどなくしてエレベーターが到着し、順番に乗り込む私達。
脱力した状態で、私はむなしさを口にする。










「檜扇湖亀は、毒殺やガソリンで人を何度も焼いてるのに、裁かれないということですか・・・?」
「!?そんなことしてたのか、あのババア!?」
「赤ちゃんをホルマリン漬けにして、脅迫の材料にもしてます!!」
「チッ!!噂以上の魔物だな・・・!!」










私の言葉に、ガリガリと頭をかくバラさん。