彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






「何を未練がましくすがりついてるのよ!?あなたが離しなさい!!」
「いたたた!!2人共、やめてちょうだいよぉ~!!」
「二三人はタイに連れて帰るの!!」
「二三人君は日本で私と暮らすの!!」
「二三人は、わたくしと再婚するのよ!!」
「絶対二三人君と離婚しない!!妻の座は渡さない!!」
「痛い!痛い!!痛――――――い!!」





女2人が、1人の男を取り合う姿を見て思う。







(まるでどこかの昔話みたい・・・)

「こんなおとぎ話あったような・・・。」


「ばか。ありゃあ、母親が子供を取り合う話だ。」
「瑞希お兄ちゃん!?」


「それで最後に勝つのは、子供を離した方の母親だが―――――――あの分じゃ、どちらも親父を離す気はなさそうだな。」
「ヘルメットマンさん!?」







口々に言ったのは、それまで黙っていた好きな人と、いい人か悪い人かわからない人。
その上で、ヘルメットマンさんがさらに言った。










「お前ら、修羅場になるからもう帰れ。」
「え?もう修羅場になってませんか?」
「こんなもん、序の口だ。いいから帰れ、凛道蓮。他の奴らも。」
「はあ・・・そうですね。僕がここにいても意味ないですから・・・」
「言われなくても帰るんだよ!!行くぞ、オメーら!!」
「おう!」
「はぁーい♪」
「わははは!」
「では、ラポンさん、またのちほど。」










瑞希お兄ちゃんの言葉を受け、烈司さんとモニカちゃんと百鬼が同意し、獅子島さんが女王様に別れのあいさつをする。
これに、口ひげ超エロ親父に抱き着いていた女王が代わりに答える。










「ええ、わかったわ、伊織!連れてきてくれてありがとうー♪」
「よくも疫病神を連れてきたわね獅子島伊織!!許さないんだから!!父上と母上に言いつけてやる!!」










獅子島さんと女王のやり取りを聞き、般若の顔でキレる元皇族。
それに第二2夫人と第三夫人が『口撃』をした。








「まぁ~やだやだ!未子は未だに親のすねをかじるのね!」
「二三人の日本人妻は、本当に他力本願の塊で嫌だわ~♪」
「なんですって、妾のタイ人共!!」








ヒートアップする病室内。










「早く行け。」










しっしっと、ヘルメットマンさんに追い払われたこともあり、私は会釈をして瑞希お兄ちゃん達と部屋から出た。
部屋の外に出てからも、女たちの口喧嘩と男の悲鳴が響き続けた。