彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






「り、凛道蓮君!!これこれ!!これ見て!!これ!!」
「なんですか?新聞も宗教も保険も宗教も宗教も、勧誘は間に合ってますよ?」





ドアの隙間から、口ひげ男が何か差し込んできた。
それを受け取り、目にした瞬間、叫んでいた。






「瑞希お兄ちゃんっ!!!?」

メキメキメキ!!

「ぎゃあああああああああ!!?ドアを閉める力が強くなったー!!?」






口ひげが何か叫んだが、どうでもいい!!

服装は違ったが、初めて出会った時の瑞希お兄ちゃんだった。

制服姿で、パンをかじっている姿が、すごく良い!!!

写真映り、めっちゃいいやつだよ、これ~♪





〔★凛は写真に釘付けになった★〕
〔★瑞希に夢中で手加減を忘れている★〕





レアな好きな人の姿に興奮した。
だから、テンション高めに相手に質問した。





「あなたこの写真、どこで入手されたのですか!?」
「痛い!いたたたあ!ちぎれる!痛い!痛――――――い!!」
「痛いじゃわかりません!ちゃんと説明して下さい!」
「うははは!凛、凛!とりあえず、ドアに挟まっとる足、自由にしてあげたらええんとちょう!?そうせな、しゃべれん思うでー!?」
「ヤマト!?」

いけない!そう言えば、ねじ込んできた足を〆上げてる途中だったわ!





ヤマトに言われ、ドアを完全に開けば、素早く足を引っ込める口ひげ男。





「うああああ・・・!!い、痛かったぁ~!!」





しゃがみ込みながら、口ひげの男は悶絶をする。



「大丈夫ですか!?」
「自業自得だぜ!」
「コラ、雷太!!言葉が足りませんよ!『自己紹介しなかったため、不審者への対応をさせて頂きましたので、自業自得だと思って下さい。』と言うところです!」
「なるほど!?勉強になります、凛先輩!!」
「うははは!ほんまや!さすが、凛やねー!」
「どこがだ!!?噂通りの凛道蓮君だね!?」



口ひげ男はそう言うと、挟まった足をかばいながら立ち上がる。





「君が、凛道蓮君だね!!?」
「そういうあなたは、瑞希お兄ちゃんの写真をどこで入手しましたか!?」
「そこは、『どちら様ですか!?』だろう!?本当にブラコンだな・・・!!」





あきれ気味に言うと、咳払いしてから口髭の男は言った。