「ジェントルマンだな、バラさん?」
「うるせぇー」
無表情で瑞希お兄ちゃんが茶化せば、真顔のまま小声で悪態をつくバラさん。
私は、瑞希お兄ちゃんと手をつないで室内へと入った。
そこにいたのは―――――――――
「蓮ちゃん、瑞希ちゃん!!ああ、瑞希ちゃん!!やっと、瑞希ちゃんに会えたわねぇ~!!?」
ベッドに座った姿勢で歓喜の声を上げる檜扇湖亀と、その隣に寄り添う檜扇未子と檜扇達比古と、少し離れた場所に白衣の男性がいた。
白衣の男性は私達に会釈してくれたので、同じく会釈をする。
服装からして、お医者さんであることは間違いなかった。
(これだけ?医者を含めて4人だけ?ヘルメットマンさんと口ひげ超エロ親父がいない。他の親戚達はいないわ・・・。)
部屋を見渡すが、護衛の姿さえない。
無防備すぎる状況からして、とりあえず、攻撃してくることはないと判断する私。
それよりも気になったのは―――――――――
「フジバラさん、ありがとうございました!やっと、やっと!孫の瑞希ちゃんと初対面を果たすことが出来ました!!」
「初対面・・・?」
(もうボケがきたのか、ババア!!?)
昨日さんざん顔を見合わせた上に、殺害宣言までしてきたくせに何言いやがる!!?
瑞希お兄ちゃんの方を見れば、あからさまに不愉快な顔をしていた。
「はじめまして、瑞希ちゃん!!あなたの祖母の檜扇湖亀ですよ!!側に来て頂けません!?」
「はじめましてじゃねぇだろう?昨日さんざん、面合わせて、俺を殺すと宣言したくせに何言いやがる?」
いつもより2トーンぐらい低い声で瑞希お兄ちゃんが言えば―――――――
「そのことについて、ご説明させて頂けますか?」
白衣を着ていたお医者さんらしい人が声をかけてきた。
それで瑞希お兄ちゃんが、ギロッと白衣の人をにらみながら聞いた。


