(嫌だなぁ~バラさんまで、警察まで使って呼び出すとか、どういうつもりなんだろう・・・?)
さすがに、警察のいる前で殺すことはないと思いたいけど・・・・
―皇族が関わっているからこそ、国は手出しできない。罰せられることなんて、今まで一度もなかったわ!!―
(皇族の身内が、痛い発言してたからなぁ~・・・!!)
仕方ない。
瑞希お兄ちゃんにも言われたことだし、腹くくろう。
瑞希お兄ちゃんと2人で生き残る道は諦めて、瑞希お兄ちゃんだけ守ることを優先しよう。
(だから瑞希お兄ちゃん、私のことを忘れないでね・・・!!!)
好きな人を見上げれば、彼は私を見つめていた。
思わずドキッとすれば、つないでいる手をつなぎ直される。
ほほ笑まれる。
(惚れ直しちゃうでしょうがぁぁぁぁぁ!!!)
恋する乙女モードになったところで、エレベーターは止まる。
扉が開き、戦闘モードになれないまま、バラさんの後について行く。
(・・・思った通りだわ。)
バラさんが歩く道は、いつも檜扇湖亀を訪ねる際に通った道。
間違いなく、私達は、檜扇湖亀の元に運ばれている。
そう思っていたからこそ、その異変に少しだけ驚いた。
(あれ・・・?)
「誰もいない・・・。」
檜扇湖亀の病室の前。
いつもなら、たくさんの親族がいるのに、今日は人っ子一人見当たらない。
「油断するな、凛。病室内かもしれねぇ。」
「!?そ、そうですね!」
初めて見る無人の共有スペースは、とても広かった。
こんなに広かったのかと思うと同時に、それだけたくさんのハイエナが常駐していたのかと嫌悪する。
無人の共有スペースを背にした時、先導していたバラさんがドアをノックした。
「千葉県警、生活安全課、少年事件課の藤原虎次郎(ふじばらとらじろう)警部、凛道蓮と真田瑞希を連れてまいりました!!!」
「入れ!!」
バラさんの言葉に、中からしわがれた声が対応する。
(この声は―――――――――檜扇達比古か?)
「失礼します!!!」
大声でバラさんは言うと、ドアを開け、私達に先に入るようにうながす。


