彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)









(嫌だなぁ~バラさんまで、警察まで使って呼び出すとか、どういうつもりなんだろう・・・?)

さすがに、警察のいる前で殺すことはないと思いたいけど・・・・



―皇族が関わっているからこそ、国は手出しできない。罰せられることなんて、今まで一度もなかったわ!!―



(皇族の身内が、痛い発言してたからなぁ~・・・!!)

仕方ない。

瑞希お兄ちゃんにも言われたことだし、腹くくろう。

瑞希お兄ちゃんと2人で生き残る道は諦めて、瑞希お兄ちゃんだけ守ることを優先しよう。



(だから瑞希お兄ちゃん、私のことを忘れないでね・・・!!!)








好きな人を見上げれば、彼は私を見つめていた。
思わずドキッとすれば、つないでいる手をつなぎ直される。
ほほ笑まれる。








(惚れ直しちゃうでしょうがぁぁぁぁぁ!!!)








恋する乙女モードになったところで、エレベーターは止まる。
扉が開き、戦闘モードになれないまま、バラさんの後について行く。





(・・・思った通りだわ。)





バラさんが歩く道は、いつも檜扇湖亀を訪ねる際に通った道。
間違いなく、私達は、檜扇湖亀の元に運ばれている。
そう思っていたからこそ、その異変に少しだけ驚いた。





(あれ・・・?)

「誰もいない・・・。」





檜扇湖亀の病室の前。
いつもなら、たくさんの親族がいるのに、今日は人っ子一人見当たらない。





「油断するな、凛。病室内かもしれねぇ。」
「!?そ、そうですね!」





初めて見る無人の共有スペースは、とても広かった。
こんなに広かったのかと思うと同時に、それだけたくさんのハイエナが常駐していたのかと嫌悪する。
無人の共有スペースを背にした時、先導していたバラさんがドアをノックした。








「千葉県警、生活安全課、少年事件課の藤原虎次郎(ふじばらとらじろう)警部、凛道蓮と真田瑞希を連れてまいりました!!!」

「入れ!!」








バラさんの言葉に、中からしわがれた声が対応する。








(この声は―――――――――檜扇達比古か?)


「失礼します!!!」








大声でバラさんは言うと、ドアを開け、私達に先に入るようにうながす。