彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)




翌日、昨日の出来事も、事件として報道されなかった。





「ネットニュースにも出てないなんて・・・。」
「内密に処理されたのだろう。」
「瑞希お兄ちゃん。」
「いつものことだ。便所行ってくる。」





そう言って、私の側から移動してしまう好きな人。





「瑞希お兄ちゃん、大丈夫かな・・・。」
「心配なら、いつも以上にくっついてな、凛たん。」
「烈司さん。」
「まさか、Jの正体が瑞希の原料だったとはなぁ~そうじゃないかとは思ってたんだが・・・。」
「え!?霊視でわかってたんですか!?」
「いや、長年の経験で、予想は出来ていただけだよ。」
「長年の経験・・・ですか?」
「瑞希の原料が、Jに変装してまで凛たんや瑞希を襲ったのは、困らせるためだ。」
「困らせるため?」
「ああ。瑞希の原料は、瑞希のおふくろさんに、馬鹿にされて捨てられてるんだよな~」
「え!?そうなんですか!?確かに・・・瑞希お兄ちゃんのお母さんなら、口ひげ超エロ親父を捨ててもおかしくないですけど・・・。」
「自業自得なのに、瑞希の原料はそれを逆恨みしてな~実の子の瑞希を憎んでる。」
「はあ!?究極の逆恨みなんですか!!?」
「だよなー?早い話、瑞希の原料は、瑞希の弱点である凛をいじめるために、Jという人物になった。瑞希を困らせる弱点が凛たんだから、瑞希の泣き顔を拝むために、凛たんを痛めつけるために、凛たんを捕まえようとしたってこと。」
「あ、あの口ひげ超エロクソ親父!!許せん!!」
「気が合うなぁ~♪烈司さんも許さない♪」






カランカラーン♪






「あ、すみません!営業は午後からなので――――――!」
「悪いが客じゃねぇ。久しぶりだな、悪ガキども。」
「バラさん!!?」






現れたのは、最近影が薄い生活安全課・少年事件課の藤原虎次郎(ふじばらとらじろう)警部だった。





〔★シリーズ1からの登場人物だよ★〕





通称・バラさんことおじさんは、私を見るなり言った。








「坊主、一緒に来てくれ。」
「え!?僕、何も悪いことしてませんよ!?」
「いいから来い。」








有無を言わさず私の腕をつかむおじさん。