不服そうな顔をする鳥恒先生だったが、大きく深呼吸をすると私達を見ながら言った。
「凛道蓮君、真田瑞希君、良信、それに龍星軍の子達よ!!帰るぞ!!」
「鳥恒先生。」
「よく耐えましたね。」
「ご立派です、師範・・・!!」
「フン!楽しみを先延ばしにしただけだ!!」
そう言うと、私と可児君の肩を抱く柔道の先生。
「子供は寝る時間だ!!夜更かしはお終いだ!!帰ろう!!」
「そうっすね。帰ろうぜ、凛。」
「そうですね。帰りましょう、瑞希お兄ちゃん、みなさん!―――――――――引き上げるぞ!!」
「「「「「「「「押忍!!」」」」」」」」
私の号令で、みんなが移動を始める。
その時だった。
「帰るな!!蓮!!瑞希!!」
ガシ!!
ガシ!!
「え!?」
「あん?」
ふいに腕をつかまれる。
掴んできた相手は―――――――――
「口ひげ超エロ親父!!」
「お父さんと呼びなさい、蓮!!」
檜扇二三人だった。
「母さんが、おばあちゃんが苦しんでるのに、置いて帰る気か!?」
「俺らを殺そうとした奴の心配を、なんで俺らがしなきゃなんねぇーんだよ?」
「そうですよ!!放して下さい!!」
こんな汚い親父に触られたら、瑞希お兄ちゃんがけがれる!!
「瑞希お兄ちゃんから離れろ!!」
バシ!!
「痛っ!?」
瑞希お兄ちゃんの腕をつかんでいる汚い手を払いのける。
それで、口ひげ超エロ親父は手を放したが―――――――――
「いいかげんにしやがれ!!」
パン!!
「あっ!?」
「凛っ!!?」
瑞希お兄ちゃんをつかんでいた手が、私の頬を思いっきり叩いた。
「いつまでも父親にたてつきやがって!!母親はどんな教育してんだよ!!?」
「テメー!!?よくも凛を―――――――――――!!」
「先に、手を、出しましたね?」
私は、3トーンほど、低い声で確認をとる。


