「良い子、良い子♪それでこそ、俺が見込んだ後継者だ♪」
「そ、そんなぁ~恥ずかしいですよぉ~♪」
と言いつつも、瑞希お兄ちゃんの背中に手を回して、しっかり抱き着く、わ・た・し♪
〔★凛はちゃっかりしていた★〕
「おい!!ブラコンはもういいんだよ!!いい加減、わし達を離せ!!そうすれば、お前達を見逃してやるよ!!凛道蓮!!真田瑞希!!」
「何様だ貴様!!?兄上たちを殺した殺人鬼が、ましてや、囚われの身の分際で偉そうな口を叩くな!!」
「落ち着きなさい、光憲君。」
「落ち着いてられるかよ、シゲちゃん!!そもそも、なんで未だに檜扇柊護だけ拘束してないんだ!!?蓮くん達がやらないなら、わしが羽交い絞めにしてやるっ!!」
「ほおー・・・俺を捕まえる気か~坊さん?自滅した時はだれが念仏唱えるんだ?」
「生意気な!!ふんじばってやる!!」
「やめろクソガキ!!私の柊護ちゃんに手を出――――――――――――ううっ!!?」
「!?おばあ様?」
ふいに、極悪悪女の言葉が途切れる。
「あん?どうしたんだよ、ババア?」
檜扇湖亀を拘束していたカンナさんが、けげんな声を出す。
見れば、前のめりになり、まともに立てない姿勢になっていた。
「おい、ババア!?どうした!?」
「檜扇湖亀!?」
「お義母様!?」
「母さん!?」
「湖亀ちゃん!?」
「―――――――――――ちょっと失礼しますよ!」
「シゲ先生!?」
人ごみをかき分けて、名医が毒婦(どくふ)にかけよる。
「シゲちゃん!?高野湖亀に何する気だ!?」
「―――――直診をしています。診る限り、彼女の容体は悪化しています。」
「「「なに!!?」」」
「なんですって!?お義母様が!?」
シゲ先生の言葉に、声をそろえる鳥恒先生と極悪悪女の夫とその息子。
息子の嫁に至っては、一気に顔面蒼白になる。


