朝食を終え、お腹いっぱいで動けなくなってる男子2人をよそに、ヤマトと雷太の分はもちろん、瑞希お兄ちゃんと私が使った食器を洗う。
朝食を完食したヤマトはソファーに寝ころんで動かず、雷太はヘアセットをするために洗面所に向かった。
ヤマトと雷太が競うようにお代わりを要求するので、作り置きおかずが予想よりも多くなくなってしまった。
(モニカちゃんに連絡して、食べきったことを伝えて、補充をお願いしないとなぁ~)
空のタッパーを洗い終えると、スマホを取り出してモニカちゃんにLINEを送った。
すぐに返事が来て、了解スタンプと『帰ったら作る♪』の文字が私のスマホ画面に表示された。
(私も作るの手伝うって言った方がいいかなぁー・・・)
でもなー・・・
(初めておかずの作り置きを作るなら、最初は瑞希お兄ちゃんと一緒に作りたい。)
そう思ったので、ありがとうございますのスタンプで返事を返す。
モニカちゃんと、またね、バイバイのスタンプ交換を終えてから、ポケットにスマホをしまった。
「うははは!凛、凛!わし、ちょっとトイレ借りるでー!?」
「どうぞ、ご自由に。」
「うははは!事件が起きたら叫んで呼べやー!すぐに駆け付けるさかい!」
「こんな朝っぱらから起きるわけないでしょう?」
「その期待を裏切るのが凛道蓮やねーん!うははは!」
「ちょっとぉ!?まるで僕が事件を起こしてるような言い方するの、やめてもらえませんか!?」
「うははは!」
私の指摘に、欽ちゃん走りをしながら店舗スペースのトイレに駆け込む関西男子。
「どうしたんすか、凛先輩!?大声出して!?」
それと入れ変わる形で、洗面所から雷太が帰ってきた。
綿あめのようだった頭は、ビシッと決まっており、いつものリーゼントになっていた。
「いや、なんでもないよ。いつものことだから。」
「凛先輩・・・ごじゅうあらしさんのこと、気に入ってるんすか!?」
「気が合うだけだ。」
「俺!!凛先輩のこと、もっとよく知りたいっす!どこの高校に通われてるんすか!?」
「・・・なんで高校名聞くの?」
当たり障りのない口調で聞けば、相手は目を輝かせながら言った。
「送り迎えしたいからっす!!」
「しなくていいです。」
中学生の主張を、私は即答で拒否した。
〔★雷太の提案、凛は却下した★〕


