そんな孫を見て、極悪な祖母が近寄ってくる。
「柊護ちゃん!!なにかいい作戦でもあるの!?だから落ち着いてるのね!?」
「いや、なるようにしかならんでしょう。とりあえず、1名ほど、銃口をこっちに向けてない奴の意見を聞きたい。」
「えっ!?」
「僕らに攻撃態勢を取ってない人?」
驚きの声を上げる檜扇湖亀をよそに、高野槙雄たちの方を私は見てみる。
「あ。」
言われた通り1人だけ、拳銃を握ったまま、銃口を下に向け、うつむいている人がいた。
それに檜扇湖亀も気づき、その人物の名前を呼んだ。
「舟槙(しゅうま)ちゃん!!」
便所の虫以下の高野槙雄の孫の高野舟槙(こうや しゅうま)だった。
(あいつ―――――――――攻撃をためらっているの!?)
そう思えるような態勢に、檜扇湖亀が歓喜を上げる。
「舟槙(しゅうま)ちゃん!!私の可愛い愛しの舟槙(しゅうま)ちゃん!!あなたは、私の味方よね!!?だから、撃つのをためらっているのよね!!?」
その言葉で、高野槙雄から笑みが消える。
無表情で孫を見る高野槙雄。
それでますます、檜扇湖亀のテンションが上がる。
「そうよね!!舟槙(しゅうま)ちゃんは、ばあばのために、介護車両の準備までしてくれたものね!!?毎日お見舞いに来て、いつも労わってくれたわよね!!?だから私も、あなたを特別扱いしてきた!!!わかるわよね!!?」
「・・・大伯母様・・・。」
絞り出すような声が、高野舟槙(こうや しゅうま)から出る。
「そうよ!!私はあなたの大好きな大伯母様、いいえ、祖母同然のばあばよ!!!早く助けてっ!!!」
「黙れうぬぼれババア―――――――――――――!!!」
パーン!!
「ぎゃああああああああああああああああああああ!!!」
「えっ!?」
(撃った!?)
私がそう思った時、檜扇湖亀は床に倒れ、のたうち回っていた。
「ぎゃああああああ!!!痛い痛い痛い!!足が!!足が――――――――――!!」
「こ、湖亀!!」
「母さん!!」
痛みでもがく妻を、母を、前におろおろするだけの夫と息子。
「どけ!」
素早く対応したのは孫のヘルメットマンさんだけ。
すぐさま傷口を抑え、止血作業を行う。


