「なにしてんだい、槙雄!!?狙うのは、私じゃなくて、凛道蓮だよ!!?」
高野槙雄が銃口を向けたのは、姉である檜扇湖亀。
「なんの真似だい!!?冗談をやってる場合じゃないよ!!?」
「ここでお別れだ、姉さん――――――――――――!!!」
ダーン!!
野太い声が捨て台詞をはくのと、拳銃の引き金が引かれるのは同時だった。
「ぎゃん!?」
「湖亀っ!!」
「・・・あぶねーの。」
「チッ!!運のいいババアだ!!」
放たれた飛び道具は、檜扇湖亀には当たらなかった。
寸前のところで、ヘルメットマンさんが檜扇湖亀を自分の方に引き寄せ、守ったから。
「ヘルメットマンさん!!大丈夫ですか!?」
「あ、おい!?凛!」
思わず駆け寄れば、手で制してくるヘルメットマンさん。
「これ以上こっちにくんな。瑞希お兄ちゃんのところにいろ、凛道蓮。」
「わ、わかりましたが―――――お怪我は!?そんなクソババア、助けなくてもよかったのに!!」
「・・・実の祖母を見捨てられるか。」
「しゅ、しゅ、柊護ちゃん!!」
孫の言葉に、鬼ババアの表情が緩む。
「なんて優しい孫なんだろう!!流石私の孫だわ!!それに引きかえ―――――――――――!!」
檜扇湖亀の視線が、孫のヘルメットマンさんから高野槙雄へ移る。
「槙雄!!!なぜ、姉である私を撃った!!?どう見ても、私を狙ったようにしか見えなかったよ!!?」
「ひゃはははは!!もうボケちまったのか、姉さん!?俺は、あんたを狙って撃ったんだよ!!」
「な、なんですって!!?」
弟の言葉に動揺する姉。
そんな中で、私の好きな人が口を開いた。
「オメー・・・便所の虫以下とはいえ、実の姉にケガさせるつもりだったのか?」
「瑞希お兄ちゃん。」
「なんで撃ったんだ、高野槙雄?」
「ひゃはははは!!殺すために決まってるだろう!!?」
瑞希お兄ちゃんの問いに、テンション高めで答える高野槙雄。
「姉さんは十分好き勝手して生きて、長生きをした!!もう思い残すこともないと思ってな!!」
「槙雄っ!!?」
「マジで言ってんのか?」
「マジだろうぜ。」
ショックを受ける檜扇湖亀と、眉間にしわを寄せる瑞希お兄ちゃんをよそに、この場で1人冷静なヘルメットマンさんが告げる。


