彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





「お食事とお弁当のご用意をします!」
「おーい、慌てると転ぶぞー?」
「転んだら起きます!」




そう伝えれば、背後で瑞希お兄ちゃんが笑うのがわかった。
キッチンに入ると、真っ先に手洗いをする。
そして、モニカちゃん特製のギャルソンエプロンをつけて作業に取りかかった
冷蔵庫から作り置きした数種類のおかずを取り出し、棚から出したプレート皿にバランスよくのせていく。
その作業をしていれば、瑞希お兄ちゃんもキッチンに入ってくる。
ご自身のカップを棚からとると、コーヒーを作り始める。
その間に私は、朝ごはんのおかずをプレートに乗せ終わる。
おかずプレートをお盆にのせ、炊飯ジャーからお茶碗に次いだご飯も一緒にのせる。
冷蔵庫を開けてブルガリアヨーグルトを取り出す。
煎茶のティーパックを湯呑に入れ、お椀にインスタント味噌汁を入れ、保温ポットのお湯をそれぞれに注ぐ。
スプーンを取り出したら、ヨーグルトに添え、煎茶とお味噌汁もまとめておぼんにのせる。
これで朝ごはんの完成!!
完成した朝ご飯が乗ったお盆を、瑞希お兄ちゃんの座る席に置いたところで、ホットコーヒーを片手に持った瑞希お兄ちゃんがキッチンから出てきた。




「お、美味そう~♪ありがとな、凛♪」
「いえ、作ったのは、モニカちゃんです!お礼は、モニカちゃんに~」
「うんうん、モニカもありがとー!いただきまーす!」




両手を合わせ、背筋を伸ばして食膳のあいさつをする瑞希お兄ちゃん。
瑞希お兄ちゃんが食べてる間に、今度はお弁当の用意をする私。
瑞希お兄ちゃんが使うお弁当箱は、わっぱの2段弁当。
見かけによらず、瑞希お兄ちゃんはたくさん食べる。
その辺は、一般的な成人男性と同じなのだと思う。
お湯を沸かして、お茶を作っている間に、作り置きしているお弁当用のおかずを冷蔵庫から出す。
炊飯ジャーを開けて、炊き立て状態のご飯をわっぱ弁当の1段目に詰め、中央に大原会長さんの奥さんからおっそわけしてもらった梅ぼしをのせる。
わっぱの弁当箱の2段目に、お弁当用の作り置きおかずを入れていく。
お湯が沸いたので、ほうじ茶のパックを投入する。
わっぱの弁当箱とは別に、小さめのタッパーの中には食後のデザートとして、秋の果物である梨をむいて入れる。
これに忘れないようにお箸と、携帯用のハンドジェルをつけて、お弁当袋に入れる。
魔法瓶に出来上がったほうじ茶を入れて、お昼のお弁当セットは完成です。