「ほら!!これでいいだろう!!?」
「あら、素直ね。」
「腹くくったんだから当たり前だろう!!?」
「・・・凛の言う通りだな。」
隣にいた瑞希お兄ちゃんがつぶやく。
そして、私のスマホの隣に瑞希お兄ちゃんもスマホを置く。
「これからすること、凛はマネしなくていいからな。」
「え?」
何をするのかと瑞希お兄ちゃんを見れば、彼は上着を脱いだ。
「えっ!!?」
「み、瑞希さーん!!?」
あっという間に、ボクサーパンツ姿になると、正妻をにらみながら言った。
「俺は獲物でケンカはしねぇ。これで丸腰なのは証明できたな?」
「そうね。わかったから服を着なさい。」
「へっ!意外だな!?パンイチで連行しねぇのか!?」
「私が浮気してると、ダーリンに誤解でもされたらどうするのよ!!さっさと着なさい!!」
「へいへい!」
ヒステリックに叫ぶ女に、皮肉めいた表情で返事をして服を着る瑞希お兄ちゃん。
瑞希お兄ちゃんが素早く服を着れば、正妻が命じた。
「蓮君、瑞希君、両手を前に出して。」
「「・・・。」」
チラッと瑞希お兄ちゃんを見れば、無言でうなずかれた。
だから、両手を差し出せば、ガチャンという音がした。
「え!?手錠!?」
「目隠しもするからね。」
拘束された手を見た後で制裁を見れば、すぐに視界が布でふさがれた。
「行くわよ。」
そして、両側から拘束された状態で歩かされる。
「凛!!」
「リンリン!!」
「凛さん!!」
「我が君!!」
「瑞希さーん!!」
「凛君!」
「りっくん!」
「りっちゃん!」
「凛道君!」
「りんどー!」
「「「「瑞希!!」」」」
仲間達の声だけは聞こえた。
同時に、裏口の方へ誘導されるのがわかった。
そのまま、去れるがままの状態で車に乗せられる私。
「瑞希お兄ちゃん!!瑞希お兄ちゃんはいますか!?」
「凛!!ここだ!!ここにいる!!」
「瑞希お兄ちゃん!!」
手を伸ばせば、手錠がぶつかり合う音がする。
その音を聞きながら、相手の体温を確認する。
手を握り合う。
「本当に仲の良い兄弟なのね。」
優しい言葉と声だったが、していることは極悪非道。
(おのれクソ女!!覚えてろよ!!)
てか、やっつけてやるから覚悟しろよ!!
(このまま、お前の言いなりになんてならないんだからね!!)
そんな決意をする私を乗せた車は、安全運転で発車したのだった。


