彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)







「ほら!!これでいいだろう!!?」
「あら、素直ね。」
「腹くくったんだから当たり前だろう!!?」
「・・・凛の言う通りだな。」






隣にいた瑞希お兄ちゃんがつぶやく。
そして、私のスマホの隣に瑞希お兄ちゃんもスマホを置く。








「これからすること、凛はマネしなくていいからな。」
「え?」








何をするのかと瑞希お兄ちゃんを見れば、彼は上着を脱いだ。








「えっ!!?」
「み、瑞希さーん!!?」








あっという間に、ボクサーパンツ姿になると、正妻をにらみながら言った。










「俺は獲物でケンカはしねぇ。これで丸腰なのは証明できたな?」
「そうね。わかったから服を着なさい。」
「へっ!意外だな!?パンイチで連行しねぇのか!?」
「私が浮気してると、ダーリンに誤解でもされたらどうするのよ!!さっさと着なさい!!」
「へいへい!」










ヒステリックに叫ぶ女に、皮肉めいた表情で返事をして服を着る瑞希お兄ちゃん。
瑞希お兄ちゃんが素早く服を着れば、正妻が命じた。










「蓮君、瑞希君、両手を前に出して。」

「「・・・。」」










チラッと瑞希お兄ちゃんを見れば、無言でうなずかれた。
だから、両手を差し出せば、ガチャンという音がした。






「え!?手錠!?」
「目隠しもするからね。」






拘束された手を見た後で制裁を見れば、すぐに視界が布でふさがれた。








「行くわよ。」








そして、両側から拘束された状態で歩かされる。








「凛!!」
「リンリン!!」
「凛さん!!」
「我が君!!」
「瑞希さーん!!」
「凛君!」
「りっくん!」
「りっちゃん!」
「凛道君!」
「りんどー!」


「「「「瑞希!!」」」」








仲間達の声だけは聞こえた。
同時に、裏口の方へ誘導されるのがわかった。
そのまま、去れるがままの状態で車に乗せられる私。








「瑞希お兄ちゃん!!瑞希お兄ちゃんはいますか!?」
「凛!!ここだ!!ここにいる!!」
「瑞希お兄ちゃん!!」








手を伸ばせば、手錠がぶつかり合う音がする。
その音を聞きながら、相手の体温を確認する。
手を握り合う。








「本当に仲の良い兄弟なのね。」








優しい言葉と声だったが、していることは極悪非道。










(おのれクソ女!!覚えてろよ!!)

てか、やっつけてやるから覚悟しろよ!!

(このまま、お前の言いなりになんてならないんだからね!!)










そんな決意をする私を乗せた車は、安全運転で発車したのだった。