彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)




重さを感じて目が覚める。
眠い目を開ければ、布団の中で瑞希お兄ちゃんが、私の上に覆いかぶさっていた。



「え!?何事!?」
「あ、わりぃわりぃ!起こしちまったな!」



ふとんのなかでもぞもぞしながら、苦笑いする私の好きな人。





(え!?私押し倒されてる!?ごほうびじゃない!?)





お風呂から上がった後、私は瑞希お兄ちゃんの部屋のベットで一緒に寝た。
眠りにつくまで、たわいないおしゃべりをし続けて楽しかったのは覚えてる。





(だけど、目が覚めて好きな人に押し倒されてるって、どーゆーご褒美!!?)





ドキドキしながら戸惑う私に、瑞希お兄ちゃんは仰った。





「凛を起こさないように、布団から出て、凛をまたげばよかったんだが、寒くてよぉ~布団の中を移動して、凛をまたごうとしたら、手が滑って凛にのしかかっちまって~ごめんな?」
「そ、そうでしたか!」

(ラブイベントきた―――――――――――!!!)

てか、説明してる間も、押し倒している姿勢でしゃべって下さった瑞希お兄ちゃん。

吐息がかかる距離で御声が聞けて、し・あ・わ・せ♪





〔★凛は全く困っていない★〕



「もう少し寝てていいぞ。いつもより、早く起こしちまったからな。」
「え?早出ですか?」
「ああ。昨日急に、シフトの交代頼まれてな。」



そう仰ると、私から身体を離し、布団から出ていく瑞希お兄ちゃん。
はい、押し倒される姿勢は、終わりです。
ですが、朝の良い目覚めを経験したので満足です♪



〔★凛の寝起きは最高だった★〕