「じゃあ決まり。風呂行くぞ、凛!」
「は、はい!」
有無を言わさぬ瑞希お兄ちゃんの言葉に同意すれば、くわえたばこをした先輩が言った。
「凛たん、風呂から出てきたら、プレゼントした腕時計の使い方、烈司さんが教えてあげるからなー♪」
「ちょ、ぬけがけしないでよ、れーちゃん!!凛ちゃん、モニカちゃんが手取り足取り、ボイスレコーダー機能の使い方を教えてあげるから安心してー♪」
「もう復活かよ、セクハラ魔~?凛たん、烈司さんの方がいいよな?」
「なによ、副流煙をまき散らす公害!凛ちゃんはモニカちゃんの方がいいに決まってるでしょ!?」
「俺だ。」
「あたしよ!」
「おーれ。」
「あーたーしー!」
「うるせぇ!2人で仲良く凛に教えろ!!総長命令だ!!」
「「押~忍!」」
瑞希お兄ちゃんの一言で、ケンカをやめ、声をそろえて同意する烈司さんとモニカちゃん。
「凛ちゃん、後でモニカちゃん特製のドリンクを持って行くからねー♪」
「はあ!?俺が私に行きますよ、モニカさん!」
「お黙り坊や!あたしが作った物は、あたしが受け渡しするの!」
「つーか、モニカが作って持ってきたドリンクは、俺がモニカから受け取って凛に渡す!総長命令だ!」
「え~!?ずるーい、みーちゃん!!すぐ総長命令出すんだから!!」
「命令は守れよ、モニカ。それが俺達のルールだろう?」
「わははは!俺様でさえ守ってるんだからな!!残念だったなぁー!!」
「もう~イケズなんだからー!!」
「瑞希、ちゃん凛道の貞操を守れよ。」
「わーってるわ!行こうぜ、凛!」
「は、はい!」
「ちょっとイオリン、何よその言い方!?人を性犯罪者みたいに言って!!」
「ふぅ―――――・・・・・この機会だから言うがモニカ、お前は凛道のことになると、がっつき過ぎなんだ。そもそも――――――!」
怒るモニカちゃんにお説教をする獅子島さんの声を聞きながら、その場から瑞希お兄ちゃんと一緒にはなれる私。
瑞希お兄ちゃんに肩を抱かれ、お風呂場まで向かいながら考える。
(これは念のため、色付きの入浴剤を入れて入った方がいいわね・・・。)
瑞希お兄ちゃんが入ってきた時は、色付きの入浴で身体を隠せたので何とかなった。
今回も、予防線は張っておいた方がいいわね。
〔★凛は自衛を決断した★〕


